理想(sgi) ページ12
(幻想 side:you)
須貝とは、
このままともだちでいるのが、
いいと思っていた。
恋愛対象として見てもらいたいと
思ったことはない、
と言ったら嘘になる。
居心地のいい関係性を壊してまで、
先に進む勇気はなかったのだ。
壊れたら、ともだちとしての関係性も終わりだ。
(ともだちのままでいればいい?
そんなのまっぴら。)
ずっと前から、願っていた留学。
しばらく、須貝に会えなくなる。
言わなきゃ、と思いながら、
タイミングを逃していた。
留学のことを話すだけだった、のに。
須貝が隣に座っていることが。
日常じゃ、なくなる。
そう思った時に。
須貝がすきだと、声に出していた。
---
須貝に腕を引かれて、
距離が、ちかい。
心臓の音が聞こえてしまいそうだ。
須貝から発せられる熱に、
頭がくらくらする。
『……そんな顔、
向こうでいい男がいても、
しちゃだめだよ。』
『……………どんな顔か、見せて。』
至近距離で、
須貝の目を覗き込む。
この目が、すき。
…ともだちの、終わり。
新しい関係の、はじまり。
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みゆ - うーん、全部の作品選べないくらい好きです!!! (6月4日 22時) (レス) @page33 id: 379497ea92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:345 | 作成日時:2022年10月14日 0時