小悪魔の証明【qk】 (ページ19)

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麻痺（kwkm）ページ19

--attention--

退社された方(kwkmさん)メインです。
受け付けない方はバックを！

それでも構わない！

という方のみ、
いってらっしゃいませ。

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陽が落ちて帰宅すると。

俺の定位置、ソファに先客。

見るからにわけわからんような

難しい本を読んでいた。

俺に気づいて、顔を上げる。

『おかえり、拓朗。』

『……また、おるん』

母親同士が友達で。

子供のときからよく家に来ていた。

Aは1歳上で。

頭のいい、

いわゆるお嬢様学校に通っている。

こないだまでカナダに留学をしていて。

おそろしいくらい、

磨かれて、綺麗になって帰ってきた。

『親が旅行でいなくて。

ひとりで大丈夫って言ったんだけど。』

娘がひとりで心配なのは当然だろう。

………………俺も、家に来てくれた方が…

『あれ。おばさまから。

電車が動いてなくて、帰れないみたい。』

『………あぁ。外、風強かったわ』

思いがけず、ふたりきりになり。

俺は、緊張、していた。

『拓朗、

…ピアス、開けたの？』

『……あぁ。』

『痛く、ないの？』

『開ける時冷やせば平気。』

さっきから、距離が近い。

あと、顔も近い。

『……あのさぁ。

きょう、変。』

『………

とっくに。

変に、なってるよ。

………………拓朗のことがすきで。』

俺は、

頭がショートしたみたいに、

何も考えられなくて。

口元を覆う。

顔は間違いなく赤い。

…………ようやく絞り出せた言葉は。

『……かわいすぎ』

そのあと。

俺は、

Aが東京の最高学府に行くと知り。

また、会えなくなることに絶望した。

1歳の差をこんなに遠く感じるのは、

この先、ないんじゃないかと、思った。

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『俺と、会えへんくてさみしかった？』

『…………なんか、生意気。』

Aが優しく笑うので。

『拓朗、ありがと』

俺は、どこまででも、迎えにいく。