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＜重岡side＞
目覚ましが鳴る前に目が覚めた。
気持ちよさそうに寝ている神ちゃんを起こさないように
洗面所へ向かう。
顔を洗おうと鏡を覗き込むと、首元の痣が目に入った。
確かに噛んでいいとは言ったけど、
これは噛み跡っていうか…
｢どう見てもキスマークやな…｣
昨晩の甘い痛みを思い出す。
首筋に触れる唇
濡れた舌と遠慮がちに当てられる歯
くすぐったさで俺が逃げないように添えられた手
やけに鮮明に思い出される感覚に恥ずかしくなって
小さな跡を手のひらで隠し、ずるずるとしゃがみこむ。
｢…責任とれよ｣
誰もいない洗面所でひとり、悪態をついた。
結局、神ちゃん家には2泊していた。
今日はグループでの仕事だから一緒に家を出る。
｢めちゃめちゃキスマークなんやけど｣
と首筋を見せると
神山｢え、結構強めに噛んだつもりやった笑｣
とか言いながらファンデーションで隠してくれる。
こういうの慣れてんのかな
神ちゃんムッツリやもんな
朝から変に想像力を膨らませてしまってまた恥ずかしくなった。
2人でマネージャーの車に乗り込む。
神山｢覚えてる？昨日の約束｣
｢覚えてるよ｣
散々泣いて晩飯を食った後、神ちゃんから出された宿題。
神山｢明日また7人で仕事やからさ、しげは全員と話すこと｣
これ宿題な？と食器を片付けながら言う。
｢メンバー全員と？なんで？｣
神山｢最近喋ってなかったやろ｣
神ちゃんと一緒に居すぎて忘れていたけど、
メンバーと接するのは久しぶりな気がする。
ひとりになりたくて無意識に避けていたことを思い出し、
食器を洗う手を止めた。
｢何話していいかわからん｣
泡のついた手を見つめる。
きっとみんなも俺が避けていたことに気づいてる。
グループの空気悪くして、迷惑かけて。
まだ自分のことが許せない不安定な俺が関わっていいんかな。
神山｢なんでもええねん、おはようとかお疲れ様でも。
とりあえず全員にしげから話しかけて、
全員コンプリートしたら俺に教えて｣
片付ける皿がなくなり、手止まってんでと催促される。
なんとも不思議なミッションだが、神ちゃんには逆らえない。
明日への不安は、食器の泡とともに流した。
変な緊張感とともに現場に着く。
神山｢大丈夫、俺もおるから｣
自分の首筋をトントンと指し、車を降りていく神ちゃん。
隠したはずの痣は、首輪のように俺を繋いでいた。
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夜光(プロフ) - みささん» コメントありがとうございます！励みになります！ゆっくりですが完結できるよう頑張ります(ง •̀_•́)ง (2022年5月16日 12時) (
レス) id: 4599a482ed (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 面白いです！更新待ってます！ (2022年5月14日 9時) (レス) id: 6097d6630f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜光 | 作成日時：2022年5月3日 1時
