見つけてほしかった９【Seiya. S】 (ページ8)

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誠也side　　※ ページ8

誠也side

朝起きて、雑誌の撮影ってのは分かっててん。

Aのおかげで仕事は怖くなくなった。

でも、わっしょいCAMPが近づいとるのが怖かった。

３日後は、もうドームに立っとる。

別に、ドームっていう規模が怖い訳じゃない。

こんなこと言ったらアイドル失格やけど、ファンが怖いねん。

記事を信じずに応援してくれとるファンも沢山おるって知っとる。

ただ、脳裏に浮かぶのはあの日の荒れたSNS。

その日の朝までファンやった人たちが、手のひら返したみたいに一気に敵になった気がして。

俺らのファンだけのライブではないけど、特に京セラは関西ジュニアを応援してくれるファンも多いはず。

つまり、Aぇ！groupのファンも多いってこと。

そのことがずっと頭から離れんくて、どうしても足が進まへん。

仕事に穴開けたくはないけど、自分で行くのはしんどかったから、マネさんに連絡して迎えに来てもらうことにした。

電話したら「家までは車でそんなにかからへんはずやから、家の中で待っててください」って言われて、大人しく待っとってん。

スマホ触っとったら、ファンの子たちがわっしょいの準備してくれとる投稿が流れてきた。

#Aぇ！groupってタグの付いた投稿は「Aぇに会えるの楽しみ！」って人がほとんどで嬉しかった。

そんな中、１つだけ「Aぇ楽しみにしてたけど、チケット譲ります。」って投稿が。

よう見てみたら、理由は

「……末澤くんを見てライブ楽しめる自信ない…か。」

俺のせいでライブ来るの辞める子もおるん？

そんな俺…Aぇ！groupにおってええの？

久しぶりのあの感覚が怖くて、呼吸が速くなる。

脳に酸素が足りひんくなったの分かってんのに、呼吸は速いままで、最後に見たのは焦って駆け寄ってくるマネージャーの姿やった。