見つけてほしかった９【Seiya. S】 (ページ7)

今日:51 hit、昨日:15 hit、合計:18,767 hit

晶哉side　　※ ページ7

晶哉side

そう言って電話を切ったAちゃんは、その日の夜から恐ろしい行動力を見せた。

毎日誠也くんに電話かけて、「みんな今の末澤誠也はこんなことせーへんって知っとるから大丈夫。」みたいに声をかけ続ける。

そのおかげか、だんだんと元に戻ってきた誠也くん。

元から事務所内では「あの記事デマらしいで。」って噂が広まってたみたいで、みんな信じてなかったから誠也くんの杞憂やってんけどな。笑

レッスンも順調に進んで、みんなから頼られたりイジられたりする誠也くんは僕らメンバーから見ても完全復活しとった。

わっしょいの京セラドーム公演を３日後に控え、雑誌の撮影の予定が入ってた日、事件が起こった。

小島「……誠也くん来ませんね。」

楽屋入りの時間を過ぎても姿を見せない誠也くん。

最近は元に戻ってたから、大丈夫やと思ってたのに……みんなそんな感じの表情。

マネさんは誠也くんから連絡来たみたいで迎えに行ったから、そろそろ誠也くんの家着いたくらいのはず。

そのとき、リチャくんのスマホに電話が来た。

リチャ「はい。」

そのあと何ターンか話して電話を切ったリチャくんはこっちを向き直って

リチャ「…今日は末澤抜きで撮る。スタッフさんたちには連絡してあるみたいやから、スタジオ行くで。」

みんなで重い足取りでスタジオに向かう道中、思わずリチャくんに聞いた。

「せーやくん、どうしたんですか？」

リチャくんは目を泳がせた後、

リチャ「…スタッフさんには体調不良って伝えてあるらしいから話そっちに合わせてな？」

正門「…ホンマは？」

リチャ「……過呼吸で倒れたって。」

僕たちの間に衝撃が走った。