見つけてほしかった９【Seiya. S】 (ページ49)

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You side　※ ページ49

Aside

晶哉の口から出た「ドラムの特等席から常にアイコンタクトとって、５人が見える席が大好きやって。」って言葉。

晶哉は雑誌とかプライベートでもよくその話をしとって、ついこの間わっしょいでヘアセットしたときも「ドラムの特等席」って言うてた。

案の定、無理やり口角上げながら紡ぐ後半の言葉。

最後のお辞儀の後も、笑えてないけど頑張って口角上げとるのがまるわかりで。

見とくのが辛かった。

予定聞いたら、家族旅行に行くって言うてたからリフレッシュできたらいいなって。

涙を頑張って止めて、リビングに戻るとスマホを覗き込むせーちゃんが。

やっぱりエゴサしとるみたいで、念のため「Aぇ！group」で調べても叩く人はおらんかったから様子を見る。

発表の内容的にいろんな憶測が飛び交っとる。

そっちは見ずに、Aぇ！groupに対しての暖かい言葉だけを受け取って欲しいなって願った。

いろんな方から連絡を貰っとるみたいで、電話したりLINE返したり忙しそう。

結局、連絡が落ち着いた頃、急に充電が切れたように寝たせーちゃんを頑張って部屋まで連れていって、私も目のケアだけして寝た。

次の日、少し腫れた目を見て悲しそうな顔をするせーちゃんは自分の目が腫れとるのに気付いとるんかな？

大晦日の朝からずっと誰かとの電話とかと平行に進めるブログの文章の作成。

見る度に文章が変わっとって、悩んでんねやな。って分かる。でも、これに関してはせーちゃんの言葉で綴る必要があるから。

年明けの瞬間、せーちゃんと２人の部屋で無理やりほっぺ摘まんで笑わせた。

「笑顔で年越し！な？」

少し表情が柔らかくなって、やっぱ一緒におれてよかったなって思えた。