見つけてほしかった９【Seiya. S】 (ページ35)

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晶哉side ページ35

晶哉side

普通に遊びに来たんやったら家の大きさに驚いとったかもしれへんけど、今はそれどころじゃない。

車から降りて迷いなく進んでいく誠也くんの後ろをついていくと、この前会った東雲夫妻と、若い女性がいてはった。

誠也「A…大丈夫なん？」

東雲母「まだ部屋に籠っとる。」

リチャ「話してきていい？」

東雲父「もちろん。よろしくな。」

Aちゃんの部屋に行きながら、リチャくんが「あのもう一人おったんが、うたちゃん先生っていう耳鼻科の先生な。白岩詩先生。」って教えてくれた。

Aちゃんの部屋らしきドアの前で止まった誠也くん。ドアをノックして、そのまま話し出した。

誠也「A～、来たで～。」

A「…なんで？」

誠也「なんでって、Aが泣いたときはすぐ来るって昔言わんかったっけ？」

A「……生放送終わりで疲れとるやろ？」

誠也「疲れとかよりもAの方が大事やからに決まってるやん。」

A「来てくれたんは嬉しいけど、今、誰とも顔会わせたくない。」

誠也「ん、それでええよ。」

A「え？」

誠也「Aが落ち着いたら出てきたらええやん。でも、ちゃんとご飯食べるんやで？」

A「…うん。」

誠也「他の人も話したそうやから代わるな？」

A「え？」

誠也くんがドアの前から退いて、次はリチャくんがドアの前に行った。