見つけてほしかった９【Seiya. S】 (ページ33)

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小島side ページ33

小島side

Aぇ！groupとして挑戦させてもらった手話ダンス。

24時間テレビのロケはわっしょいの前からちょくちょく入ってた。

俺と晶哉が手話ダンスをしとる方のとこに初めて行ったのが京セラ公演の何日か前。

それに引っ張られたんか、晶哉がAちゃんに耳関連のこと聞いたときはびっくりした。

俺も大学で手話を勉強したけど、手話はホンマに大切なコミュニケーションの方法で、１つの言語。

全員で集まって手話の確認をした日、みんなそれを分かっとるから真剣な顔やった。

ただ、俺もみんなも頭をよぎるのはAちゃんのことやったと思う。

そしてみんなで決めた。

放送までAの前では練習しない。って。

気ぃ遣うってのもあるかもしれへんけど、そんなことより驚かせたいなって。

Aちゃんなら放送見て「凄いな！」って誉めてくれると思ったから。

24時間テレビ本番では大きなミスもなく、練習の成果を出して伝えたいことを表現できた。

喉枯らしたのはホンマに申し訳ないけど、その分手話は人一倍頑張ろうって決めててん。

無事に24時間テレビを終えて、スタッフさんたちに感謝伝えて楽屋に戻った。

Aちゃんから連絡来てるかなってスマホを確認するみんな。

反応を見る限り、みんな来てへんっぽいな。

そんな中、誠也くんが「えっ…」って漏らした声が楽屋に響いた。

「どうしたんすか？」

誠也「Aが…。」

「Aちゃんが？」

誠也「過呼吸なったって。」

その一言で楽屋の空気が締まった。