正門side ページ29
正門side
癖なのか何なのか分からへんけど、人とご飯を食べるときはお箸の持ち方とかマナーとかをついつい見てまう正門でございます。
Aちゃんとご飯を食べるのは初めてやから、つい見てたんやと思う。
お手本みたいなお箸の持ち方、しっかり手を合わせて「いただきます！」って言うところ、周りを見て空いたお皿端に避けてくれたりするところ。他にもたくさん。
ホンマに、高１とは思えへん。
さっき会ったAちゃんの親御さんも、めっちゃ偉い人やのに腰が低くて正直、驚いた。
でも、それで確信したのはAちゃんは暖かい素敵な環境で育ったんやなってこと。
今なんか、みんな美味しそうに食べるAちゃんばっかり見とるから。笑
そんな感じでお腹いっぱいになるまでたくさん食べたAぇ！groupとAちゃん。
こじけんが思い出したように呟いた一言で一瞬空気が凍った。
小島「お会計…。」
大晴「そうやった！」
晶哉「忘れてた。」
A「え？何言うてんの？」
「え？」
A「みんなに払わせるわけないやん。」
小島「え？」
A「オカンとオトンが払う！って言うてたから。」
大晴「えっ、でもめっちゃ食うたし。」
A「なんならもう伝票持ってかれたで？」
「えっ！？」
A「みんなが盛り上がっとるときに、オカンたち来て颯爽と持ってったけど。」
慌ててみんなで個室から出ると、お店の方とお話し中の東雲夫妻が。
A「オカン〜ごちそうさまって。」
晶哉「あの、ホンマにごちそうになって良いんですか？」
東雲母「もちろん！」
東雲父「せやで？おいしかったやろ？」
大晴「はい！めっちゃおいしかったです！」
東雲母「やったらOK！」
Aぇ『ありがとうございました！』
東雲父「明日もコンサートなんやろ？」
誠也「そうそう。」
東雲父「頑張れ！ってことで！」
小島「ありがとうございます！」
Aちゃんとはそこで別れた。
お店の外にタクシーまで用意してくがさって、まさかのお金も東雲夫妻が払ってくださったみたい。
……カッコええ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鶴 | 作成日時：2023年12月28日 14時
