見つけてほしかった６【Seiya. S】 (ページ47)

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You side ページ47

Aside

あれから福岡に帰ってきて、日常に戻った。

友達と話すときも、楽器を触るときも頭の片隅にあるのはあの悩みのこと。

もし私が継がないとしたら…。

後継者の決まらず、現社長の引退後のビジョンが決まってない大手グループに着いてきてくれる会社はあるのか。

役員の人たちや昔から支えてくれる会社は良いと思うねん。

問題は早めに独立した方が安泰だと見切りをつける会社が出ること。その前に早めに策は講じておきたいところやねん。

「なんでそんなに早く考えるん？」って思う人が多いと思う。

理由はいくつかあって、１つは役員の人に私が帰ってきたってバレたらしい。そのときに後継者の話になったってオトンに聞いたから。

２つ目はその現社長のオトン。本人は言葉には出さへんけど、じい(祖父)みたいに引退後やりたいことがあるらしい。昔から体が強い方じゃないからできるだけ元気なうちにやりたいことをしてほしいねん。

そこで家族と話し合って(無理矢理私の意見を押し通して)決めたこと。

…傘下のまとめ役の社長さんと話して「私の諸事情で後継者の決まってないウチですが皆さんに苦労はさせませんのでこれからもよろしくお願いいたします」って頭を下げる。ってこと。

どうしてもやりたいって何回も言ったら渋い顔をしながらも承諾してもらった。