見つけてほしかった６【Seiya. S】 (ページ46)

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You side ページ46

Aside

福岡に帰る日。

せーちゃんたちには今、関西におるって言ってへんからLINEも普段通りに返した。

夕方の飛行機までの時間はまだまだあるからってオカンと２人で散歩しようと家を出たとき。

？「Aちゃん!?」

って誰かに名前を呼ばれた。

声のした方を向くと、昔から向かい側のお家に住んどる優しいおばちゃんが目を見開いて立っとった。

そりゃ急におらんくなって9年見かけてなかった人がおったら驚くか。笑

「はい！もうスッッゴくお久しぶりですね！！」

林「え？ホンマに？」

「ホンマですよ？笑林のおばちゃん、元気そうで安心しました！」

林「いまいち理解が追い付いてへんけど…おっきくなったなぁ。帰ってきたん？」

「今は福岡に住んどるから頻繁には難しいけど、たま～にこっちにも帰ってこようと思って。」

林「そうなんや！ホンマに嬉しいわ。会えて。」

「私もです！ほな、また見かけたらすぐ声かけてくださいね！」

もちろん、気付いたら声をかけてくれるのは凄く嬉しい。でもあんまり顔を合わせたくないっていうか。

合わせる分にはええねんけど「帰ってきたらしい」って東雲グループに広まったときがちょっと嫌。

東雲グループの社長は代々血縁者が継ぐってのは昔からの決まりやねん。せやから本来なら私が次期社長。そう教わって育てられてきたし、それは役員の人もしっかり理解してくれはっとる。

でも、小さいときとはいえ１回関西から逃げた私が関西から始まったこの歴史ある大事なグループを継いで良いのか。

これが最近の新たな悩み。