見つけてほしかった６【Seiya. S】 (ページ19)

今日:39 hit、昨日:11 hit、合計:28,520 hit

You side ページ19

Aside

誠也「…今度は、」

「ん？」

誠也「今度は、１人で抱え込まんとってくれ。」

「え？」

誠也「辛いこと、悲しいこと、嫌なこと、嬉しいこと、幸せなこと。何でも全部俺に話してほしい。」

「……。」

誠也「今度こそは、俺が絶対に守りたいから。」

誠也「俺、Aのことになったらメンタル弱なること多いし、落ちるときもあるけど、Aがそうなったとき支えたいから。」

「…分かった！せーちゃんも何でも言うてな？」

誠也「おん。」

「さっきさ、めっちゃ顔見てたやろ？」

誠也「…髪乾かしたとき？」

「そう。なんか、癖なんよな。」

誠也「顔見るのが？」

「ほら、片耳聞こえへんだけでだいぶん不便なこと多くなるねん。その方向から声かけられても気付かんとか、話しとることが聞き取りにくいとか。」

誠也「そうなんや。」

「そう。やから読唇術…唇の動きで話しとること読み取るんが癖になっててん。」

誠也「さっきも、俺の唇見て俺が喋ってへんか見とったってこと？」

「そういうこと。」

誠也「どのくらい読めるん？」

「日常的な会話は基本読めるで。」

誠也「それってだいぶん凄いことやろ？」

「そうなんやろな。」

誠也「それで生活しとったんや。」