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You side ページ16
Aside
私がボソッと呟いた言葉に、背後でせーちゃんが息を飲む気配がした。
「確かに、最後にハグしたときもうせーちゃんと会えへんくなるってなんとなく分かっとった。」
誠也「うん。」
「やから手紙も貰ったし、最後やと思って明るくバイバイした。」
「あの日の後からここでせーちゃん見かけることがなくなって、しばらくしたら末ママたちが引っ越してで全く末澤家と顔合わせることなくなってん。」
「冬やったよな。」
誠也「…うん。」
「私がいろいろ考える時間を減らそうとしてくれたんか、習い事とか会食？が増えててその息抜きも込めて行ったことないスーパーにオカンと行ったんよ。」
「智弘くん見つけて、思わず追いかけたら……な？」
誠也「…会ったな。」
「間違いなくせーちゃんやったのに、そのせーちゃんから「誰？この子。智弘の知り合いなん？」って言われて…まぁ、正直人生で１番傷付いた。」
誠也「ｯ!……。」
「その日から、何もする気が起きへんくてずっと部屋に籠っててん。」
「楽器も触らず、せーちゃんに貰った手紙眺めて過ごして、夜になったらこうやってここに座って空見とった。」
「そんな生活を続けとったら、ある日気付いてん。」
「左耳聞こえにくくなっとること。」
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作者名：鶴 | 作成日時：2023年10月9日 21時
