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誠也side ページ15
誠也side
A「うん、話してくれてありがと。何て言うんやろ。まず前提として、せーちゃんのこと責める気はないで？」
「…え？」
A「私がせーちゃんの立場やったら同じ選択してたと思うし。」
A「せーちゃんを疑うとかじゃないねんけど、あの人がそんなことする気が全くせーへんねん。」
「犯人が？」
A「あの人、私のこと解放？するときもめっちゃ感謝してたし、隠し事は絶対にしてなかった。」
「おん。」
A「せーちゃんのとこに来たんはホンマなんやったとしたら考えられる可能性は１つだけ。」
「…別の人格の方が来てた？」
A「そう。話し方なんかは真似したらいくらでも丁寧にできんねん。せやけど仕草は難しい。何かなかった？気になったところ。」
「えーっと…。」
A「些細なことでもええねん。私の中の印象は荒っぽくて常識はあんまなかったかな。ノックとか、２回やったし。」
「それや！！」
A「え？」
「俺んとこ来たとき、ノック２回やった！」
A「ってことは…全部別人格のせいでこうなってんねや。」
「…犯人は無事に帰そうとしてくれとったんか。」
辿り着いたことの発端の原因は俺たちにはどうしようもないもので、やるせない気持ちになる。
でも、いまさらそれを責める相手も居れへんし、犯人自体は悪くない。もう受け入れてくしかないもんな。
A「…まぁ、私が１番傷付いたんはその次の日からやねんけどな。」
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作者名：鶴 | 作成日時：2023年10月9日 21時
