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誠也side ページ11
誠也side
え？…俺、今なんて言った？
A「え？」
そうよな。急に「俺が乾かしたるから」とかびっくりよな。
Aもどうしよう…みたいな顔しとるけどここで引くのも変な話やし。
「ほら、早く。」
ってちょっとぶっきらぼうに言ってまう。
そりゃ、ちっちゃいときはこんなこともよくあった。
でもAはもう中３やし、俺は大人。
思春期真っ盛りの年齢の女子に…とは思ったけど思っとったよりAがトコトコ素直に着いてくるからひと安心した。
洗面所に入ってAが鏡の前に立つ。
俺の身長でも普通に後ろに立って乾かせるくらいのAは…145くらい？
ドライヤーのスイッチをオンにして乾かし始める。
Aの天然パーマは健在やけど髪が長いから毛先だけクルクルで、当たり前やけどあの頃より大人っぽくなった印象。
鏡越しにずっと俺を見とるAは何かを考えとる顔で、思わず声をかけた。
「A？俺の顔ばっか見てどないしたん？」
A「いや、その…なんもない。」
「え？ごめん、なんて？」
A「なんもない！って言った！」
「ほんま？めっちゃ考え事しとる目やったで？」
A「気のせいやし。」
「え？」
A「気のせい！」
「ごめんって。笑」
その後も俺の顔は見るものの何も話さへんA。
なんなんや？と思いつつ髪を乾かした。
「はい、できたで。」
A「ありがと！」
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作者名：鶴 | 作成日時：2023年10月9日 21時
