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誠也side ページ9
誠也side
正直言うと、忙しくも充実した毎日を過ごすうちに忘れとったAっていう名前。
丈とリチャと喧嘩したとき、「もうAについて聞かへん」って言ったけど久しぶりに名前を聞いたらあのときの自分の必死さを思い出す。
なんで大地も知ってんねやろ？って思っとったら丈が焦りながら大地を連れてった。
もう１回だけ聞こうと思って、リチャを呼び出す。
断れへんような言い方で言ったからか、変な空気のまま止まっとった場を乱さへんためか、リチャも乗ってきた。
黙って出口に歩いとったらリチャが後ろから
リチャ「丈が今店におるらしいし、そこ行こうや。」
って言うから案内してもらって店の中に。
個室のドアを開けると丈が１人で座っとった。
水が２つ置いてあるからさっきまでおったんは大地やろうな。
とりあえず座って、飲み物だけ頼む。
飲み物が来るまでみんな黙ったまま時間が過ぎて、あのときみたいに切り込むのは俺。
「あのさ、前Aのこと聞かへんって言ったのは覚えとるし、今日大地が言うまでは正直Aって名前忘れててん。」
２人が少し悲しそうな顔をした。
「でも、大地が言って思い出して、あのときの俺、めっちゃ必死やったなって思ってん。」
「もう１回だけ聞いてええ？」
「…Aって誰なん？」
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作者名：鶴 | 作成日時：2023年9月10日 21時
