見つけてほしかった５【Seiya. S】 (ページ46)

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You side ページ46

Aside

ニュースをみた瞬間、泣きながらオカンに電話した。

東雲母「もしもし、A？」

「あのさ、お葬式、あるんやろ？」

東雲母「おじさんとおばさんの息子さん２人おるやん？ニュースみて戻って来はって、２人が喪主するらしいねん。ウチもお世話になったし手伝いに行こうとは思っとるで？」

「Aもお葬式行く。」

東雲母「！…分かった。ほな、明日の午後の飛行機でおいで。川崎さんに迎えに行ってもらうから家におってな？」

「おん。」

お葬式に行くってことは兵庫に行くってこと。

正直怖いけど、あのおじさんとおばさんのお葬式は絶対に行かなアカンから。

会ったら絶対に「Aちゃん！」って手ぇ振ってくれたり、お菓子くれたりした優しいおっちゃんとおばちゃんやった。

娘さんおらんからか、Aのこと娘みたいに可愛がってくれてんな。

寂しいなぁ。

人生初めてのお葬式の参列。

誰にでも優しい２人やったから、みんなから好かれとって、お葬式にはたくさん人が来るんやろなって思った。

翌日、朝起きたら耳に感じた違和感。どうにか無視しようと思って家で待っとったらお昼過ぎくらいに川崎さんが訪ねてきた。

「A！」って抱き締められた後、丁寧に山田夫妻に挨拶して家を出る。

飛行機で福岡空港から伊丹空港まで。

午後の便やったから19:00くらいに伊丹空港に着いてそっから車で30分。

６年ぶりの我が家は相変わらず綺麗で大きくて。

懐かしい門をくぐった。