見つけてほしかった５【Seiya. S】 (ページ45)

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You side ページ45

Aside

周りの中３生は部活を辞めて勉強に集中しだす時期。

中高一貫生は内部進学のテストに合格したら高校生なれるし、全く焦りなんかない夏休みを過ごしとった。

午前中は学校に仲の良いクラスメートと集まって教え合いながら宿題。

クラス全体が仲良すぎてほぼみんな集まっとったけどな。笑

お昼になったら解散して、家に帰ってお昼ごはん。

食べ終わったら車で防音室に送ってもらう。って生活を続けとった。

ある日、いつも通り勉強して家に帰ったらテレビがあるニュースで埋め尽くされとった。

「兵庫県の高級住宅地で火災」

もしかしてと思ってテレビをよく見ると、見覚えしかない家が並ぶ一角が煙に覆われとる。

ここって昔めっちゃ可愛がってもらったおばさんとおじさんが住んどる家や！

焦りながらオカンに電話する。

「もしもし！オカン!?」

東雲母「火事やろ？まだ火ぃ消えてへんのよ。」

「あのおばさんとおじさんの家やろ？」

東雲母「せやで。まだ無事かどうか分からへんのよ。」

「連絡は!?」

東雲母「取れへんらしい。電話に出ーへんって。」

「じゃあ、もしかしたら…？」

東雲母「その可能性も、十分あるな…。」

「…またニュース見てから電話するな？」

東雲母「うん。」

その日の夜、火は消し止められたこと。

火事による死者が２人出たことが報道された。