見つけてほしかった５【Seiya. S】 (ページ43)

今日:32 hit、昨日:32 hit、合計:30,352 hit

誠也side ページ43

誠也side

ある日、Aぇ！groupがバンドの練習部屋に集められて大倉くんがパソコンを持ってきはった。

大倉「Aぇの新しいオリジナル曲や。作詞、作曲はBreak Throughと同じ方やで。どの楽器も今までの曲より断トツで難しいと思う。…特に末澤。」

「俺ですか？」

大倉「聞いたら分かるけど、キーが高いから。でも、これを歌いこなせたらジャニーズに革命起こせるから頑張りや。」

「はい！」

どんな歌なんやろ。メンバーみんながワクワクしとるのが伝わってくる。

大倉くんがパソコンをいじって、再生ボタンを押した。

～♪

…これ、Aの曲の始まりと一緒や。

リチャを見ると気付いたんか、目を見開いて俺を見とる。

歌詞もあのときの歌詞が少し変わったけど大元は同じやって分かった。

他４人は曲に聞き入っとったけど、俺とリチャはそれどころじゃなくて気づいたら大サビ。

思ったよりもキーが高くて、歌割りがほぼ俺だけってこの曲に正直不安もあった。

でも大倉くんに言っていただいた通り、そしてもしこの曲がAからの挑戦やったとしたら。

このくらいの壁なんか努力でいくらでも越えられる。

俺とリチャは曲が終わる頃には涙が頬を伝っとって、年下組が驚いた顔しとる。

大倉「Aぇ！group、頼んだで！」

一人ひとりと、目を合わせてそう一言だけ口にして出ていった大倉くん。

年下組が俺らの様子がおかしいからかソワソワしとるのが面白くて笑ってまう。

どの楽器も難しいらしくて、各々が一心不乱に楽器と向き合った日々。

初披露はあけおめコン「THE BEGINNING～狼煙～」に決まった。