見つけてほしかった５【Seiya. S】 (ページ39)

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You side ページ39

Aside

次の日、早速向かったのは貸し出しの防音室。

たまたま家から車で２０分のところにドラムとかを習える教室があって、そこの先生が防音室を作って貸し出しとるらしい。

昨日の夜に見つけて電話したけど快くOKしてくださって借りれることになった。

調べてみると、先生は女性で全国でも有名なドラマーの方らしい。

レッスン受ける予定はないけど借りるだけなんて迷惑なんちゃうかって思ったけど、「いくらでも使ってください！」って言ってくれはったからお言葉に甘えて。

ドラムセットを組み立てたり、ギターとアンプを繋いだりする懐かしいこの時間も楽しくてしょうがない。

いつも通りのセットが準備できたところで、息を吸い込む。

まさか、もう１回この楽器たちを演奏できるなんて思ってなかったから。

きっと東雲家全員で丁寧に保管してくれとったであろうの楽器はホコリ１つ着いてなくて、みんなの愛情を感じながらドラムスティックを持つ。

久しぶりの感覚に胸を躍らせながら叩いたハイハットは、今までで一番綺麗な音に聞こえた。

楽器と触れ合っとったら時間を忘れるのは悪い癖で、いつの間にか演奏を始めて３時間。

様子を見に来た先生が、驚いた顔をしながら入ってきはった。