見つけてほしかった５【Seiya. S】 (ページ14)

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誠也side ページ14

誠也side

全部、何もかも思い出した。

あのときリチャの家で目が覚めてから、ずっとモヤモヤした気持ちが心のどっかにあって。

リチャ、丈、オカン、オトン、学校の友達。

いろんな人が喧嘩をしてでも隠しとったのは俺のためやったんやと、今なら分かる。

俺が決めたことやったんやから。

今、俺がおるこの部屋。

最後にAと抱き合ったここは、あのときと大きく違うところがある。

壁にたくさん掛けてあった楽器やレコードや、好きなバンドや音楽グループのポスター。

今は壁には何も掛かってなくて、生活感って言うん？が全くない。

「そういえば、Aは!?」

丈「Aは…ちょっとしのママのとこ行こ。」

「ん？うん。」

リビングに戻ると、いかにも泣いた後です！って顔の俺らを見て、安心したような顔をした東雲夫妻が。

リチャ「今のAのこと…末澤に話したってくれませんか？」

東雲母「ええよ。誠也くんにも知っとってほしいし。」

丈「ありがとうございます！」

東雲母「ほな、Aについて話せること…って言いたいねんけど私たちも今Aがどこにおるか分からへんのよね。」

「え？それってどういう…？」

東雲父「正確に言うたら、場所は分かってんねん。でも、連絡がとれへんくて。」