見つけてほしかった３【Seiya. S】 (ページ9)

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誠也side ページ9

誠也side

どのくらいそうしとったかは分からへんけど、気付いたらAがブースから出てきた。

そのまま一直線にこっちに来て目を見てくるA。

俺もしっかり目を合わせたら優しい顔で聞いてきた。

A「せーちゃん。何かしてほしいことある？」

あぁ、リチャから何か言われたんやなって気付いた。

リチャのことやから俺のことは言うてへんはず。

「末澤のお願い聞いたって」くらいかな。

どうせなら…お願いしてみようかな。

「Aの作った歌聞きたい。」

って言ったら笑顔で

A「ええよ！Aの自信作聞かせたる！」

って。やっぱりこの子には敵わへんなと思ったよ。

でも、心配させて情けない気持ちをAの作った曲を最後に聞けるっていう嬉しさが越してきたみたい。

いそいそと録音しとる音源を流す準備するAを見て自然と笑顔になる。

スピーカーの準備が終わったみたいで、マイクを持ってきたA。

A「楽器しか録音してへんのに気付いたから、歌は今から合わせて歌うな？笑」

パソコンを俺のところに持ってきて、

A「再生ボタン押して！」

って言うから自分のスマホのカメラを起動して、こっそり動画を回したまま目を合わせて合図をする。

「いくで？」

A「うん！」

ボタンを押した。