誠也side ページ33
誠也side
「リチャ？」
リチャ「ん？」
「ありがとう。オカンに電話しとってくれて。」
リチャ「ええよ。少しでも役に立ったなら。」
「少しどころちゃうよ。リチャおらんかったらオカンたちに言えてへんもん。」
リチャ「それなら良かった。」
「スマホにな？Aの写真とか残ってんねんけどどうしたらええと思う？」
リチャ「んー、俺に全部送って俺が保存したあとに履歴消したらええよ。SDカードとかに移しとくから。」
「ええの？」
リチャ「ええよ。末澤の携帯に残ってても消すだけになるから。」
「ほんなら送るな？」
結構多いけど全部送って、リチャが保存してくれた。
LINEの送った履歴を全部消してスマホのアルバムからも消す。
全部なくなってもうたな
アルバムの中の３分の１がA関連の写真で、さすがに驚いた。
リチャ「最後の写真、何のメモ？」
「今日、Aに書いた手紙の写真やな。」
リチャ「読んでええ？」
「ええよ。」
リチャ「…最後のこれって例のメッセージ？」
「せやで。…気付いてほしいな。」
リチャ「…心配いらんよ。Aは気付くし、気付いた後「当たり前やろ！」って言うで？きっと。」
「…ハァ。そうよな。……水くれへん？」
リチャ「…はい。」 コトッ
「フー。…よし。」
ケースから薬を取り出す。
人を忘れる薬なんか怪しすぎるやろとは思うけど、見た目は普通の錠剤。
Aが幸せになりますように。
それだけを願って
俺は薬を飲んだ。
飲んだ直後は何もなかったけど、5分くらい経ってから急に眠くなる。
そこからの記憶はない。
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作者名：鶴 | 作成日時：2023年7月2日 16時
