見つけてほしかった３【Seiya. S】 (ページ4)

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You side ページ4

Aside

『希望～Yell～』を演奏した後も、テンションが上がってきて１時間弱くらいいろんな曲を演奏した。

お互いに疲れたから次で最後にしようと思ってせーちゃんに

「最後に『オレンジ』歌わへん？」

って提案したら、なぜか渋い顔をしたせーちゃん。

事件の前はノリノリで歌ってくれたのに。

なんでやろ？と思っとったら、

誠也「…ええよ。」

って一言。やっぱり嫌なんかな？って思って

「嫌なら他のでもええよ？」

って言っても

誠也「いや、『オレンジ』にしよ。」

の一点張り。こうなったら折れへんの知っとるから渋々ドラムスティックを手に取る。

ハイハットに合わせて歌い始めたせーちゃん。

歌う前のあの謎の態度は何やったん？ってくらい綺麗な声で歌っとる。

でも、せーちゃんはこっちに背を向けて歌うから顔が見えへん。

そのまま目が合うことなく２番まで歌って、落ちサビに入った。

誠也「～人波の中でいつの日か偶然に出会えることがあるのならその日まで」

ってこっちを見て歌ったせーちゃんを見て、ビックリしてスティック落としてもうた。

だってさ、せーちゃんが……

歌いながら泣いとったから。