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誠也side ページ22
誠也side
俺の願いは虚しく、しのママとオカンが談笑しながら部屋に来た。
末澤母「そろそろ帰るで〜。」
A「もう？」
東雲母「もう？って言っても、９時やで？」
A「え〜。せーちゃん泊まってったらええやん。」
泊まりたい気持ちは山々やねんけど、この後リチャんとこ行くねんな。
そこで薬も飲むって決めたし。飲むのは今日中や。
何て言ったらスムーズに終わるかな？
「あー、明日朝からリチャとダンスの練習するから、今日の夜からリチャんとこ泊まんねん。」
A「そーなん？」
東雲母「引き留めたらアカンし、いつでも会えるやろ？」
A「もu……へん…気が……(ﾎﾞｿｯ)」
東雲母「え？なんて？」
A「せーちゃん？明日も会えるよな？」
そんな目で見つめんといて…
嘘は吐きたないけど、会えるって言うのも残酷よな。
頷くだけなら…
「…(コクッ)。」
A「……分かった。………気ぃつけてな？」
「ありがとう。A。」
A「おやすみのギューしよ。」
「もちろんやで。」
Aを抱き締めると背中に回りきってない小さな腕の抱き締める力がだんだん強くなった。
あぁ、この子は気付いてしもたんや。
これが最後のハグになるって。
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作者名：鶴 | 作成日時：2023年7月2日 16時
