見つけてほしかった３【Seiya. S】 (ページ18)

今日:54 hit、昨日:41 hit、合計:31,884 hit

誠也side ページ18

誠也side

誕生日パーティーが終わりそうやったからAを呼び出す。

実は退院する日の朝、Aに手紙書いたんよ。

いつも誕プレで俺に手紙くれとったけど俺はあげたことなかったから。

久しぶりに入るAの部屋は相変わらず綺麗。

キーボードとかレコードとかが置いてあって誰が見ても音楽が好きなんやなって分かるような部屋やねん。

この部屋はなぜか落ち着くからよぉここで雑談してた。

この光景も見納めかなって思って部屋を見渡して目に焼き付ける。

ベランダに出たは良いものの…いざ話そうと思ったら何て言えばいいか分からへんくて黙ってしまった。

それに気付いたんか、Aが急に

「今日は天の川見れへんねや。」

って言うから、つい可愛いなって思ってまう。笑

大人びとるけど、知識は年相応の部分もあるから。

星のこと説明したら来年の七夕の話になった。

来年か…Aはどんな風に育ってんねやろ？って考えてしまった。

目頭が熱くなったから上を向く。

背後でAも上を向いた気配がした。

夜空には大きな夏の大三角が輝いとって

「きれいやなぁー。」って素直に口に出したAに同意する。

今なら言える！って思ったから「手紙書いてきてんけど、聞いてくれる？」って言ったら

「うん。」って。

ほな、Aへの初めての手紙読みますか。