見つけてほしかった３【Seiya. S】 (ページ12)

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誠也side ページ12

誠也side

ラスサビの衝撃は今までで聞いた曲で一番やった。

他のサビとリズムや音程は大差ないものの、迫力が凄かった。

どの楽器も一番激しくて、特にドラムなんか音量がちゃうかった。

そんな中でもキーボードとかベースの音が消えてなくて、全部の楽器を演奏するからこその工夫を感じた。

最後にドラムの合図に合わせて終わる。

Aは若干息を切らしながらこっちに来て、

A「どうやった！？」

って目を輝かせながら聞いてきた。

「最高や！ほんまに…言葉が上手く出ぇへんけど、とにかく今までで一番好きな曲やで！」

思ったことをそのまま伝えると、心底嬉しそうな顔で

A「ありがと！！！」

って言うからつい、

「こっちの台詞や！笑こんな凄い曲を作ってくれて、聞かせてくれてありがとう！」

って言いながら天然パーマでくるくるの、少し色素の薄い髪を撫でた。

ふと時計を見るともうお昼時。

携帯を開くと動画を止めてへんことに気付いて慌てて止める。

しのパパからLINEが来とって「もう戻ってくる？Aの誕生日パーティーの準備出来たし、いつでもええよ～」とのこと。

楽器の片付けを手伝って防音室を後にする。

エレベーターで１階に行き、居間に入ると…

『A誕生日おめでとう！！！』

家中の人が集まっとった。