見つけてほしかった３【Seiya. S】 (ページ11)

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誠也side ページ11

誠也side

いつやったかはあんまり覚えてへんけど、Aが作文書くことになって、俺のところに来たんよね。

横に座って何を書いたか見たら「パパと同じお仕事」って書いてあったのに驚いた。

幼稚園児ってほとんどはケーキ屋さんとか、お花屋さんとかやないん？って思っとったから。

しのママたちはAに会社を継いでほしいなんて言ったことない。

せやから本人が感じ取ってこの答えになったんかな。

「それはAが決めたことなん？」って聞いたら、「それは分からへん…。」って言うAを見たら心が締め付けられた。

まだ幼稚園児やのに何の躊躇いもなく会社を継ぐって言うAの精神的な成長を肌で感じたから。

そりゃ…将来はきっとそうなるで？

でも小さい頃に夢見ることって大事やと思っとって。

大人びすぎてるAにどうしてもそれを伝えたかったから言ったんよ。

「Aは何にでもなれるんやで？今からやりたいこと見つけ頑張ったらええんちゃう？将来なんか、思ったように変えていけるんやから。」

って。

「君は君を思うように変えていける」

その言葉がこの歌の歌詞にあったから「覚えててくれたんや」って嬉しくなった。

ちょっとでもAの記憶に残る言葉を掛けられてたことが嬉しいねんな。