見つけてほしかった２【Seiya. S】 (ページ47)

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誠也side ページ47

誠也side

「A！」

と言いながら強く抱きしめる。

「A！A！」

ホンマはもっとかけたい言葉があったけど、いざAを前にすると小さい子供みたいに名前を呼ぶことしか出来ひんかった。

腕の中にAがおることの大切さや愛おしさを改めて実感した。

今まではそれが普通やったから分からへんかったけと、当たり前じゃないってことにこの１週間で気付けた。

そうこうしているとオトンとオカンが玄関に来た。

２人は受け渡しの時間も知っとったみたいで驚く様子もなくAを抱きしめる。

末澤母「よぉ頑張ったな！」

末澤父「流石、ウチの子や！」

A「末澤家の子ちゃうし！笑」

「ほぼそうやん。」

A「せやな、ずっとここの家におるもんな。笑」

「誰よりも入り浸ってるからな。」

A「ホンマはそれが嬉しいんやろ？」

「はぁ!?そんなわけないやん！」

A「ほんならこれからは末澤家来んとくわ。」

「それは絶対アカン！！！」

A「どっちやねん！」

末澤母「言い負かされてるやん。笑誠也、Aちゃんには勝てへんよ。笑」

「とっくに察しとるよ。笑」

Aが楽しそうに笑っとった。

久しぶりのこのテンポの会話が異常に心に沁みてAがボヤけて見えてたのは秘密な？

だって今日がAと過ごせる最後の日やから。