見つけてほしかった２【Seiya. S】 (ページ24)

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リチャside ページ24

リチャside

夜、寝ようとしていたときに末澤からLINEが来た。

『どうしたらええん？』って何があったんや？

心配になって返事送ったけど、既読は付いたのに、一向に返信がない。

これ、なんかあったな。と思って電話をかける。

電話の方が向こうの様子もわかるしな。

聞こえた「もしもし」のトーンから察して、良くないことがあったのを確信した。

末澤は話したそうやったけど、呼吸が速なってんのに気付いてなさそうやから一先ず深呼吸させる。

その後末澤から聞いたのは

犯人が末澤の病室に来て質問をしてきたこと。

末澤が１を選んだこと。

謎の薬を渡されたこと。

Aと会えへんくなることなど。

その他も詳しく聞いた。

薬なんかはぐらかしたらええやんってもなるけど、まだ高校生の末澤からしたらそれすらも怖いんやろう。

Aは明日誕生日を祝ってもらうのが末澤と会える最後なんて思わへんやろうな。

末澤の気持ちも痛いくらいに分かるし、俺は口がうまい方じゃないからストレートにいくか。

「末澤はAにどんな末澤誠也として覚えといてほしい？」

誠也「カッコいい俺かな。」

「それやったら、明日１日頑張ろうや。何のためにその選択をしたん？」

誠也「Aを傷付けんため。」

「せやろ？お祝い終わったら薬飲む前に俺に連絡してこい。話くらい聞くから。」

誠也「ありがとう。頑張るわ。」

泣きそうな声でそう言った末澤。

電話を切っていろんな感情から来る涙を堪えた。