見つけてほしかった２【Seiya. S】 (ページ23)

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誠也side ページ23

誠也side

気付いたら夜になっとった。

あれからずっと頭の中を占めているのはAとの思い出。

初めて歩いた日、初めて喋った日、俺を「せーちゃん！」って呼んでくれるようになった日、誕プレで楽器をあげたときの嬉しそうな顔……他にもたくさん。

今は全部鮮明に覚えてんねん。

…明日には忘れて会えへんくなってまうんよな？

アカンなぁ。

寂しいどころの話ちゃう。

明日、笑顔で迎えられへんかもなぁ。

そんな思いがグルグル回って、気付いたらある人にLINEを送っとった。

誠也どうしたらええん?

急に送られたら困る内容って分かっとったけど、どうしても誰かに聞きたかった。

リチャ急にどうした?

リチャになら話してもええかな？
犯人にはああ言ったけど…って考えとったら画面が電話の着信画面になった。

俺が返信せんと、考えてたから心配にさせてもうたかな？

ピッ

「もしもし」

リチャ「もしもし？末澤、急にどうしたん？」

「…あのな？」

リチャ「うん。」

「Aのことやねんけど。」

リチャ「とりあえず深呼吸し。呼吸速なってんで？」

「ありがとう。」

リチャ「で？A？見つかったん？」

「ちゃうねん。」

リチャ「じゃあ何があったん？」

「Aを…拐った犯人が俺の病室に来たんよ。」

リチャ「は？」