見つけてほしかった２【Seiya. S】 (ページ21)

今日:22 hit、昨日:50 hit、合計:42,198 hit

誠也side ページ21

誠也side

その日は基本的に家におったし、新しい人には誰とも会ってないはず。

幼稚園の先生やっても、ここに来る理由はない。

少なくともAの担任の先生は女性やった。

……誰や？

俺が脳内会議を繰り広げていると男が話し出した。

男「覚えてくれていないようですね。まぁ、仕方のないことですよ。あなたは私の顔を見てませんから。」

俺が顔を見てへんって……まさか？

男「東雲A。」

「！！なんでその名前を？」

男「もう分かったでしょう？東雲Aさんは今、私のもとにいます。」

言葉が出ない。こいつがAを？
でも、なんで急に俺のところに？

男「混乱しているようですが、私も時間がないので手短にお話があります。」

「……何ですか？」

男「Aさんの身代金の受け渡しが明日なのは知っていますか？」

「…知りませんでした。」

男「まあ、明日受け渡しの予定なんです。
明日、東雲夫妻が身代金を渡したらAさんはお返ししようと思っていたのですが、それよりももっと面白い展開を思いつきまして。」

「何ですか？」

男「末澤誠也さん。今から２択を出すので答えてください。１、貴方にAさんのことを忘れて、会えなくなる代わりに明日無傷で返す。２、忘れなくてもいいですが、明日のAさんの安否は保証しません。ただ今まで通り会えます。」

男「ちなみに！忘れるためには薬を飲んで貰います。」

……そんなん、１しか選択肢ないのと同じやん。