見つけてほしかった２【Seiya. S】 (ページ13)

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回想26 ページ13

Aside

幼稚園の参観日に向けて、将来の夢を書くことになったんよ。

せーちゃんに

誠也「Aは何になりたいん？」

って聞かれて私は漠然と、パパと同じお仕事をすると思っとったから

「ん？パパと同じお仕事！」

って迷いなく答えたら

誠也「そうなん？それはAが決めたことなん？」

って聞かれて

「…それは分からへん。」

ってなったんよね。当時からなんとなく会社継ぐんやろうなぁって思っとったし、東雲グループ自体を昔から血縁者が継いできたのを教えてもらっとったから。

そしたらせーちゃんが、

誠也「Aは何にでもなれるんやで？今からやりたいこと見つけて、頑張ってみたらええんちゃう？将来なんか、思うように変えていけるんやから。」

そのときはいまいち意味が分かってなかったから今まで忘れてたんやけど、ちょうど夢で思い出したから。

これも好きな言葉やからサビに入れよって思った。

せーちゃんはこれ言ったこと覚えとるんかな～なんてワクワクしながら作業し、うまく曲に組み込めた。

時計を見るとお昼時。

今日はあの様子やとご飯なしかな～って考えとったらノックが聞こえた。

ノックをするってことは…と思いながら返事をすると手にご飯を持った男が立っていた。

本人は朝入れかわっとったことに気付いてないようやし、黙っとった方がよさそうやな。

お礼を言ってご飯を貰う。

午後、試しにドラムを叩いてみたが、男が来ることはなかった。