見つけてほしかった２【Seiya. S】 (ページ1)

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東雲母side ページ1

東雲母side

末ママから電話があった後、すぐに誠也くんが入院しとる病院に向かう。

主人も行きたそうやったけど、なんせ仕事が忙しいらしく、泣く泣く会議に出掛けていった。

ここから病院は車で15分くらいの近くにある。

病院に着き、急いで誠也くんの病室に向かう。

末澤誠也とネームプレートの掛かった病室の前で緊張か、走ったからか乱れていた息を整え、ノックする。

中から末ママの返事が聞こえたからドアを開けると

目を覚ましたばかりでボーッとしていそうな誠也くんがゆっくりこちらを見た。

目が合った瞬間、

「よかった…。」

と無意識に口に出ていたようで、末ママが

「ホンマよね。心配してくれてありがとうなぁ。」

と返してくれた。

そこで末ママと目が合った私はびっくりした。

意識の無かった息子が目覚めたというのに、なぜか複雑そうな顔をしとったから。

誠也くんはまだ気づいてなさそうやけど、覚醒したら気づいてまうやろう。

気づいてもうたら不安になるに違いない。

その前に何があったんか話を聞こうと思い、

「目ぇ覚めたばっかやのにごめんなぁ、誠也くん。末ママちょっと借りてもええ？」

誠也「(コクッ)」

末ママを廊下に呼び出した。