誰が為２ (ページ34)

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誠也side　　※ ページ34

誠也side

誰も現状の理解なんてできてなくて。

普段からは想像もつかへんくらい顔が真っ青の５人。

「……もう１回確認。」

「…Aぇ! groupを畳む気はないんよな？」

Aぇ『もちろん。』

「大晴なしの、５人のAぇ! groupとして活動を続けるってことでええんよな？」

正門「…はい。」

「……明日の撮影。何話す？」

晶哉「…まず、ファンの方に向けてですよね。」

リチャ「…各々、家で考える？」

正門「……そうしましょうか。」

俺含め、みんな頭は真っ白なままやったと思う。

どうやって帰ったかは全く記憶にない。

マネージャーから作られた、５人とマネージャーだけのグループLINEに明日の撮影の時間だけが送られてきて。

ベッドで何を話すか考えるけど、全く頭が働かへん。

次の日、気付いたら昨日の会議室に居った。

たぶん、５人とも一睡もしてへんのやろな。

顔色はみんな最悪で、アイドルとは思われへん。

それでも時間は待ってくれず、またカメラがまわり始めた。

なんとか正門が話し始めてくれて、５人それぞれの言葉でファンの方に伝える。

初めて思った。

……忘れたいって。

病気が治ってから、忘れたいと思うことなんか全くなくて。

でも、今回だけは心の底から思った。

…………忘れたい。

でも、そんなこと言っても治ってしまったんやから。

次の日、世間に大晴の件、俺らが撮った動画が出た。