誰が為２ (ページ31)

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誠也side ページ31

誠也side

俺の病気が治って１ヶ月。

基本的にメンバーのサポートなしでもバラエティーに出たり雑誌の取材を受けたりとかの仕事ができるようになった。

メンバーも各々忙しくなってて、波に乗り始めてるなって思っとった。

そしたら、ホンマに突然会議室に集められて聞いたデビューの話。

聞いた瞬間、１番に思ったのは「病気が治ってて良かった」ってことだけ。

この瞬間を絶対に忘れたくなかったから。

いろんなお世話になった方たちにお祝いしてもらって、少し落ち着いたくらいに大倉くんと横山くんに聞きに行った。

「あの…。」

横山「ん？」

「もし俺の病気が治ってなかったらデビューは先延ばしでしたか？」

大倉「…いや。デビューはさせてた。たまたま伝える前に治っただけやで。」

横山「おめでとう。」

「！…ありがとうございます！」

俺のせいでデビューが遅らせられとったらどうしようと思ったけど、そういうことじゃないみたいで安心。

その日から、俺達はポロっと言ってしまうかもしれへん恐怖と隣り合わせの仕事。笑

佐野なんか、あさパラのときにハイヒールのお２人からデビューの話されてたけど上手く話しとったわ。

凄いな。全く顔にも出てへんもん。

聞いた後から、事務所はいろいろ大変やったからデビューの話無くなるんちゃうかとか考えてまう日もあって。

でも、念願のフェスに出れたし事務所の力が失くなっとる中、ファンの子たちに少しでも会える機会をと思って無料で押さえられた大晴の大学でのライブ。

大学でのライブは賛否両論あったけど、Aぇの勢いは間違いなくノリに乗っとった。