誠也side ページ9
誠也side
それから佐野がノートを書くのを見守る。
晶哉「そんなに見られたら書きにくいですって。笑」
「やることないねんもん。笑 そのノートって、いつから書いてくれとるん？」
晶哉「誠也くんの目が覚めてからすぐなんで、2020年の４月とかですね。今が2021年１０月やから…ほら表紙にNo.19って書いてるでしょ？」
「……え？４月って言うた？」
晶哉「言いましたね。」
「２周年のお祝いしたのって2020年の２月18日やんな？」
晶哉「ですよ？」
「そっから事故？で病気なったって書いてあってんけど…。」
晶哉「そうです。ご飯会解散した後に、誠也くんが事故に遭って、そっから２ヶ月目ぇ覚まさんくて。４月にやっと目覚ましたんですよ。」
「……。」
この話、めっちゃ聞きたい。
でも、どうせ聞いても明日には忘れるんやろ？
……目の前の可愛い最年少に辛い記憶を思い出させてまで聞く必要もないか。
晶哉「…せーやくん？」
「あ、ごめんごめん。 話してくれてありがとう。」
晶哉「はい！」
またノートを書き始めた佐野。
またしばらく眺めとったら、終わったみたい。
「終わり？」
晶哉「終わりました！」
「なぁ、今日は雑誌の撮影やったやんか。」
晶哉「ですね。」
「ライブとかになったら、俺ってどうしとるん？」
晶哉「基本的には、普通に参加してますよ？」
「振り付けとか。」
晶哉「あー、不思議なんですけど、振り入れするじゃないですか。それで覚えるでしょ？」
「うん。」
晶哉「次の日とかになったら忘れちゃうんですけど、１回お手本見たら踊れるんですよ。」
「じゃあ、ライブの日に全部の振り動画みたらいけとるってこと？」
晶哉「ですね。前は体が勝手に動く感覚って言ってましたよ。ちなみに、歌もそうです。」
「…不思議やなぁ。笑」
晶哉「ですよね。笑」
「OK、ありがとな？」
晶哉「いえいえ！」
それから少し話して、夕方になったから佐野を家に帰した。
ご飯食べて、寝る準備して。
１人になったら、寝るのが怖い。
抗ってはみたけど、結局は睡魔に負けて気付いたら眠りについとった。
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作者名：鶴 | 作成日時：2024年3月6日 0時
