誰が為 (ページ32)

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正門side ページ32

正門side

リチャくんの鶴の一声で、１時間後には病院に集められたこじけん達３人。

リチャ「末澤について、話がある。」

大晴「…何ですか？」

リチャ「末澤、後遺症が残ったみたいやねん。」

小島「後遺症……どんなですか？」

リチャ「前向性健忘……新しい記憶が１日しか持たへんらしい。」

晶哉「記憶が１日しか持たへん…？」

リチャ「昨日、末澤が目覚ましてん。」

晶哉「ｯ！でも連絡きt」
小島「晶哉！」
晶哉「(ﾋﾞｸｯ)」

小島「晶哉、ごめん。リチャくんごめんなさい、続けてもらって良いですか？」

リチャ「ん。ごめん、何があるか分からんから今日伝えようって正門と話してん。ごめんな？」

大晴「大丈夫です。」

リチャ「それで、今朝、末澤と話したら昨日のこと覚えてなかってん。一昨日話したこと。」

小島「………じゃあ、今日話したとして、誠也くんは明日には忘れるってことですか？」

リチャ「そうやな。」

大晴「前向性健忘…俺、調べたんすよ。記憶に関する後遺症探しとったら出てきて。……誠也くんの場合、治りませんよね？」

晶哉「…なおらんの？」

リチャ「…末澤は外傷性やから、治らんって。」

晶哉は泣き出して、それにつられて大晴も泣きそうになって。

こじけんは悔しそうに唇を噛んで下を向く。

３人も心配やけど、何気に一番心配なんはリチャくん。

リチャくんだってさっき知ったのに、３人が来る前に「俺が全部話すから、正門は話さんでええで。」って言うてくれてん。

実際今やって、辛そうな顔をしながら晶哉を宥めに回って。

しっかりしないとリチャくんの負担は増えるばっかりって分かってんねんけど、どうしても受け入れられへんかった。