リチャside ページ13
リチャside
「遅れてごめんな。何があったか話してくれへん？」
正門「病院から電話があって、ここと家も近いから晶哉がいっちゃん早く着いたみたいなんですよ。」
「うん。」
正門「それで、ちょうど手術室に運ばれる誠也くんを見たみたいで。誠也くんは頭、結構強くぶつけたらしくて血も結構出てたたらしいんですよ。それ見て過呼吸なったんちゃうかなって。」
正門「こじけんと大晴と僕はほとんど同時に着いて、案内してもらったらあんな感じの晶哉が居たんです。」
「…大晴は？何か調べてたやんな？」
正門「１回通りかかったお医者さんに頭強く打ちすぎて後遺症が残るかもって話聞いたんですよ。それやと思います。」
「……ありがと。とりあえず佐野落ち着かせよか。」
パニックになるほど頭は冷静になるってこういう感じなんやって思った。
正門とさっきの場所に戻ったら、少しは落ち着いたかなくらいの佐野と、変わらず背中をさする小島が。
まだ過呼吸気味やなって思っとったら、急に佐野の頭がグラッと傾いた。
小島「危なっ！」
慌てて小島が受け止めて危機一髪やったけど。
小島「アカンわ、たぶん意識飛ばしてます。」
近くに居った看護師さんに言うたら、空き部屋をすぐに手配してくれはって、晶哉は小島におんぶで連れてってもらった。
正門に着いていってもらって、俺は大晴に話しかける。
「大晴？」
大晴「ｯはい。」
「とりあえず、今は止めとこ？ まだ分からへんから。な？」
大晴「……分かりました。」
ボロボロ泣き出した大晴を見て、ひとまず安心。
頭が良いし、知識もある分いろんな可能性を考えてまうんやろう。
そういう不安を抱え込みすぎたら、意外と脆いのは大晴やからな。
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作者名：鶴 | 作成日時：2024年3月6日 0時
