短！まちがいさがし【不死川実弥】

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ーー実弥side






俺は今、人生最大(？)の過ちを犯した事に気付いた。

ガンガンと脳を揺らす昨晩から残ったアルコール、いつも隣に居るはずのアホみたいな顔で眠るAが居ない広いベッド。一瞬で背筋が冷えた。キッチンにも姿がない、財布もない…






(……家出か…？)






いや、昨晩の記憶は悲しいかなしっかりとある。

二次会で再会した元カノは吹っ切れた様子で最近は婚活しているなんて話してAに謝りたいなんて言うから、…そう、そのまま伝えた訳だ。案の定、当たり前にAは不機嫌になり、酒の勢いもありなんで怒ってんだなんて俺も…






「クソ…、マジでありえねぇ…。」





自分が嫌になる。

どうにか追いかける以外術はない。玄関に向かうとガシャ、と車の鍵を取ってそのドアノブに指をかけた。






ーーガチャ、



『あれ？どうしました…？』






………






…






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唐突に開いた玄関の扉。

コンビニ袋片手に不思議そうに自分を見つめるソイツに体は自然と、その小さな身体を抱き締めていた。






『わわ、…実弥さん？』


「……クソがァ。」






外の気温に当てられて冷えた細い肩が驚いて跳ねたのが伝わる。

ここで何か気の利いた台詞の一つでも言えたら良いものを、俺はただAが帰ってきた、それだけで胸が詰まって何も言葉が出てこなかった。



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