. ページ44
.
微睡の中から意識を引き上げたのは何やら騒がしい私を呼ぶ声。
覚醒していく頭、頬に伝わるひんやりとした硬い床の感覚で今何が起きて居るのか唐突に理解した。
『…っおい!…クソ、やっと目ぇ覚ましたか…。A、何でこんなとこでぶっ倒れてんだァ…?』
「すみません!…いててて、一回座ったら眠くなっちゃって…」
弾かれたように瞼を開けると視界一杯に広がった心配そうに眉を下げてこちらを覗き込む実弥さん。ワイシャツ姿…という事は帰ってきてそのままという事だろうか。
ゆっくりと上半身を起こすと硬い所で寝ていたせいか動かすと体が痛い、優しく背中へ添えられたその掌に申し訳なさで胸が痛くなる。
『…マジで119するとこだったぞォ、…はぁ、テメェどんだけ心配かけりゃ気が済むんだ?』
「えぇ?!……うぅ、それは…返す言葉も御座いません…。」
『玄関で寝落ちする程疲れんなら時短勤務に変えろって前から言ってんだろ、だいたい俺だけの給料でもやっ』
「大丈夫ですって…!こんなに残業が続く事なんて年に1回あるかないかだし、今回に限っては私も休み過ぎたので…!」
しまった、実弥さんは元から結婚したら仕事を辞めてもいいと言っていたのだ。
私は専業主婦になったらダラダラに拍車が掛かるだけだからと説得して今も変わらず続けている訳だけど、先日の缶コーヒー事件でご立腹の旦那様は会社の事をよく思っていない。いや、ハッキリ言われた訳じゃないけど、なんとなくそう感じる…
.
312人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月(プロフ) - Ariさん» 承知です〜〜!パート2本日立てられましたので…順次取り掛かりますね…!!楽しみだ〜!!玄弥くん個人的にめっちゃ好きです…! (2020年5月5日 17時) (レス) id: 899799b6f0 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - kazukiさん» パート2本日なんとか立てれました〜!!そちらでのお答えになるかと思いますがめっちゃ面白そうすぎる!!書くのが楽しみです…! (2020年5月5日 17時) (レス) id: 899799b6f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ari(プロフ) - いつもありがとうございます!キュンキュンしました!!さねみんに心配されてみたいです!次は玄弥くんに、照れながら姉ちゃん呼びされる話読みたいです! (2020年5月2日 21時) (レス) id: 106cb627d8 (このIDを非表示/違反報告)
じゃんみく(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!デート良きです…!大変なところもあるかと思いますが、頑張ってくださいね!ほんとに、応援してます! (2020年5月2日 19時) (レス) id: eec2b385f7 (このIDを非表示/違反報告)
kazuki(プロフ) - いつも素敵なお話ありがとうございます! 実弥さんが女子高生から迫られる??(鞄に手紙が入ってるとか、思わせぶりなメールが届くとか・・・)で、夢主さんが信じてるんだけど、モヤモヤしちゃう話が読みたいです! よろしくお願いします!! (2020年5月2日 18時) (レス) id: af9d4574ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月 | 作成日時:2020年4月25日 11時