【松岡凛】部長の妹がこんなに美人なわけがないPart3【Free!】

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　お部屋の移動も完全に落ちついて、部活も夏の予選に向けて本腰が入るその前に、と。
　学祭準備といいますか打ち合わせ的な物もありますので、あちらこちらで白波の制服が視界に入りますね。
　鮫柄学園まで迷わずに辿り着き、凛さんに電話をかけました。ですが音声ガイドに門前払いされてしまいます。
　今日は部活がないオフの日です。後輩の指導でプールにいらっしゃるのでしょうか？

「――あ、ごめん。部屋に宗介いるからさ。話はしてあるから中入れてもらって、時間潰しててくれるか？」
「分かりました。部屋って兄様がいたところ……ですよね？」
「ああ。モモは街に出掛けてるし、アイは見ての通り練習中だ。とりあえずアイの個人練が終わるまでな」

　小さく開いた窓ごしに凛さんと会話をして、コクリと頷き、寮に向かいます。
　寮監さんがいなかったので、置かれている来客届けに自分で記名をしました。下の名前は書かず、御子柴、と。
　ドアをノックするとすぐにドアが開いて、とても背が高くがっしりした男の人が出迎えてくれました。
　心なしかジロジロと品定めされているような気がします。
　部屋番号は合っていますし、きっと私が名乗ってないからでしょう。

「はっ、初めまして。御子柴Aと申します。凛さんと同室の山崎さんでお間違いありませんか？」
「――あぁ、凛が言ってたヤツか。とりあえずここで女は目立つから、中どーぞ」
「失礼致します」

　お部屋に通されれば、家具的な問題で広がる風景は殆ど変わりません。
　机の上を始めとしてあちこちが綺麗に整頓されているので、山崎さんも綺麗好きな方なのでしょう。

「凛のベッド、下だから自由に使ってくれ。凛の机はあっち、棚はこっち」
「は、はい。お邪魔しますね」

　私の荷物も多くはありません。そのままベッドに腰掛けてショルダーバッグをおろします。
　すると、スッと私の前に山崎さんがしゃがみ込みました。
　先程のように品定めされているような視線に襲われます。

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