【松岡凛】部長の妹がこんなに美人なわけがないPart3【Free!】

1　一年後　Side凛 ページ1

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『話があるから』
　そう言われ元々は俺だけ1泊長い旅だった。
　Aは元より3泊の予定で、帰りは知らぬ間に俺が送ることになっていた。
　まぁ帰る先はすぐ傍だ。なにも問題はない。

　雑魚寝組を送って、御子柴さんが運転する車に乗り込んだ。
　助手席に座ったのは俺で、Aは運転席の後ろで土産を整理しながらキャリーバッグに詰め込んでいた。

「御子柴さん。結局、話って？」

「それがな、親父が松岡に会わせろとうるさいんだ。
　丁度仕事の関係で今日はこちらに来るから引き留めておけと命令されてな」

「もしかして、それって……」

「Aのことだろうな。お前が結婚まで考えているのかは知らんが、頑張れ。うちの頑固親父は一筋縄じゃいかない」

「え、えぇ……。それもうちょっと早く言ってくださいよ……」

「『心の準備なんかさせるな』と言われていてな。これでもフライングしたほうだ。どうせもう家に着いている頃だろう」

「はぁ!?」

「凛さんどうなされたのですか？ そんな大きな声を出されて」

「おうA！ 今日は親父が家に来る……というか、多分もう着いてるぞー」

「父様が？ まぁ、兄様だけじゃなく父様にもお会い出来ますのね……！」

　俺とは正反対にAは喜びに満ち溢れていた。
　久しぶりに会うのだろう父親になんて声をかけようか、どんな話をしようかなんてひとり浮足立っていた。

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