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***


「――チャン、Aチャン」

「ん……?」

 目が覚めると真正面には困った顔をした靖友くんがいて、少し視線を動かせばカーテンの隙間から明るい光が入り込んでいた。
 おはよう、と寝ぼけ眼のまま挨拶をすると、オハヨォ、といつも通り返事がくる。
 私を組み敷くような形のまま、靖友くんが言いにくそうに切り出した。

「あのさァ、Aチャァン?」

「うん?」

「オレ、ダメソファに寄り掛かったトコまではハッキリ覚えてるんだけどォ。――コレは、Aチャンを喰っていいヤツゥ? ダメなヤツゥ?」

――次にオレの部屋で寝てんの見付けたら、喰っちまうからな。

「だっ、だめ、な、やつ……」

「……ですよネ。運んでくれたンだろ、ありがとネェ」

 以前言われたことを思い出して、動揺を隠せないまま否定をした。
 どうやら靖友くんは夜中に目が覚めて、とりあえずトイレに行った帰りにリビングの照明を消したり、ソファを元の位置に運んだり。部屋に戻ってきてベッドに私がいることにびっくりしたらしい。
 夢かな、なんて普通に抱き枕がわりに抱えて寝たそうだけど、朝になって起きても私がそこにいるから、今こうして起こして確認を取ったところ、というわけだ。

「暑いとか邪魔だとか色々あんのは、オレも尊重してあげてェんだけどォ――」

「――あ、やっ! だめっ、ダメ!」

「疲れてるときの男の理性って、すっげー脆いからァ、テスト終わるまでは我慢してつけてネ」

「……はい」

 すすす、とお腹から這い上がってきた大きな手のひらは制したものの、流石に気付かれていた。
 恥ずかしいし早く着替えてしまおう。
 ベッドから出ようとすると、引き戻された。
 さっきと同じ体勢になってから、さっきより靖友くんが近くなる。
 ギラギラとしたケモノの目が、私を捕らえた。

「突っ込まないって約束するからァ」

「へ? ――んっ!」

 噛みつくようなキスのあと、件の箇所を狙った靖友くんの執拗な愛撫に私がオチるまで、五分。
 オトナの階段に片足を乗っけた。

***

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設定タグ:弱虫ペダル , 荒北靖友 , 洋南   
作品ジャンル:恋愛
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コスミ@終わらない夏(プロフ) - あいるさん» 我が家の荒北靖友は、いつでもコスミの想像に影響されております。原作の荒北靖友がかっこいいからこそあれに届くようなかっこよさ、書きたいですねぇ。 (2014年12月28日 20時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)
コスミ@終わらない夏(プロフ) - *・*:.怜亜奈?"*さん» ありがとうございます。無事、原稿修羅場も終わり戻って参りました。ご期待に添えるかは分かりませんが、Part7お待たせしました! (2014年12月28日 20時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)
あいる - いつも楽しく読んでます! コスミさんの書く荒北さんがすごくかっこいいです! 更新頑張ってください。 (2014年12月27日 21時) (レス) id: 9aebef419c (このIDを非表示/違反報告)
*・*:.怜亜奈?"*(プロフ) - part6お疲れ様でした。毎回楽しく購読させていただいている者です!ゆっくりとお休みになられて下さい…。次の更新も楽しみにしています! (2014年12月22日 19時) (レス) id: 6089e35ed0 (このIDを非表示/違反報告)
コスミ@終わらない夏(プロフ) - 湖々さん» 狼、水着の三日月に誘惑されるの巻。ここから我が家の荒北靖友がどこまでダメになってしまうかはまだ分からないのですが、期待せずお待ちください笑 (2014年12月19日 17時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:コスミ | 作成日時:2014年12月10日 16時

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