ハイスペック・バカップル 6 【荒北靖友/洋南大学】

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「ごめんネ、買い物邪魔して」

「いえ。あ、でもその、靖友さん！」

「んあ？」

　私も助けてもらっていいですか、と言ったたまちゃんはとても恥ずかしそうにしていた。
　世の中ギブアンドテイク。

「ここしかいつもの売ってない、から……！」

　あまり細かく説明してもらうのもアレなので、というか言われても多分分からない。
　たまちゃんが買おうとしてカゴに詰めたものの、女の店員がいなくてレジに行けず困っていたソレらを、オレが持ってたカゴに詰め込んだ。

「いらっしゃいませ。ポイントカードはお持ちですか？」

「たまちゃん出してェ」

「え、いいんですか？」

「ココの持ってるのAチャンだからさァ」

「あ、会計別でしたか？」

「一緒でいいですゥ。あ、コレの袋は別で」

「かしこまりましたー」

「えっ？ あの」

「さっきの口止め料ってコトで」

　一週間でどれだけ使うのか知らないけど、意外と金かかるんだなぁ。
　そんなことを学びながら、たまちゃんと会う前と後の落ちつき様にはオレもびっくりだ。

　地方育ちというたまちゃんも同じ大学通ってるだけあって、洋南から徒歩10分圏内にお住まいらしい。
　どうせなら目的地に近いところに住む、という発想は在学中しか住む予定がないからこそだ。
　いつも一緒にいるうちの一人と同居中。女の二人暮らしは部屋が汚くなって大変だと愚痴られた。

　真昼間ではあるが、不審者の話は絶えない。
　どこもそうだとは思いつつも、たまちゃんをその女二人が住むアパートまで送っていくことにした。

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