22 ES編 ページ22
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ですがなにかこう、すっきりしない、といいますか。
山崎さんに出会ったことも含め、もやもやが残ります。
それも見抜いたといわんばかりに桃ちゃんが私に笑みを向けました。
「今はその仰々しい包帯とかを早く外すために安静にすることが、Aちゃんの役目です!」
「――はい!」
今日の晩ご飯なに食べる、なんて話をしているうちにマンションにつきました。
引っ越しする為の業者さんが忙しそうにしていて、少し悩んで気付きました。退学するということはここに住んでいられなくなります。もう、こんなに荷物を運んで――。
「あ、」
「――あ」
すかさず桃ちゃんが私を守るように前に出ました。向かい側には私服の女性。きっと、そのお方なのでしょう。
大きな声で謝罪を頂きました。バッ! と頭を下げ、何度も何度も。――動機となった心の闇も。
桃ちゃんと少しお話をしてから、その方に私一人で近寄ります。
「顔を上げてください。同じ過ちは二度としてはなりませんよ」
「はい」
きっとどなたかにお叱りを受けたのでしょう。頬が変に赤くなっておりました。
ふわっ、とその方を胸に抱いて、私の思いを伝えます。
「どんな形であれ、貴女は新しい道に進みます。その道を照らし続けていられるかは貴女次第です。どうか、どうか貴女が、楽しい毎日を過ごせるよう、私は願っておりますよ」
「〜〜っ!! ごめ、なさ……っ! ありが、とう……!」
わああ、と泣き出したその方に桃ちゃんがハンカチを差し出し、ちょっとだけ困った顔で笑いました。
『上手な化粧が台無しになるよ』なんて茶化しながら、3人で過ごす最初で最後の時間を、有意義なものに。
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bianca(プロフ) - コスミ@終わらない夏さん» やはりそうでしたか!お返事ありがとうございました。 (2014年11月15日 11時) (レス) id: 59896345eb (このIDを非表示/違反報告)
コスミ@終わらない夏(プロフ) - biancaさん» そうですね、クロスオーバーさせております。別作品で箱根の狼さんを書き始める前に、相互ネタ仕込みしたかったので。 (2014年11月13日 16時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)
bianca(プロフ) - 32にでているあらきたさんとは弱虫ペダルの荒北さんでしょうか??夢のコラボ!ですね@ 'ェ' @ (2014年11月13日 0時) (レス) id: 59896345eb (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - コスミ@終わらない夏さん» 軽音だったんですか!羨ましいです〜(≧◇≦) このクオリティで没案…だと…!? すごく凛ちゃんだなぁと思って浸りながら読みました(*ノωノ) モモくんのクワガタへの愛がすごいですよねw 愛しの相手にはぴゅんすけをプレゼント!!ですからねww (2014年9月22日 16時) (レス) id: be52c26f88 (このIDを非表示/違反報告)
コスミ@終わらない夏(プロフ) - さくら大好きさん» 妹(姉)がいる設定は公式であるのに、まったく影が見えないのですが多分姉大好きっ子だと思うんですよね……。凛ちゃんが二期からめっきりツッコミ係のギャグ要員化しているので、そこを活かせればなぁなんて思っております。応援ありがとうございます! (2014年9月22日 10時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コスミ | 作成日時:2014年9月12日 14時