16 ES編 ページ16
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伊集院さんは過激派の子達が私になにかしてしまうのではないか、と心配しているご様子です。
リカ様のように注意が出来ない、と。伊集院さんもとばっちりを食らったというところなのでしょう。
どうにかこうにか波風の立たない言いまわしを探した上で、人気者の大変さを憂い嘆きました。
なにかあればすぐに言って欲しいと申し出を受け、伊集院さんとのお話は終わりました。
実習室を出れば、こっそりと見守っていてくれた友人達が顔をひょっこりと出しました。なにもなく穏便に済んだことを告げれば、私より安堵した表情をしておりましたので、失礼ながら少し笑ってしまいました。
桃ちゃんと一緒に帰り、なにごともなく一日を終え、また新しい一日におはようを告げます。
寝坊してしまった桃ちゃんを、本人の意向に沿って置いてきぼりにしました。
私が早起きしてしまった所為で、普段より早めにインターホンを押してしまったのですが、桃ちゃんの慌てぶりだと本当に今起きたのでしょう。大丈夫でしょうか?
エレベーターが調整中とのことで、使えないようになっておりました。
上の階の方々は大変そうだ、なんて思いながら階段を降りていきます。
いつも階段を使うと思うことではありますが、一段一段が低いので上から見るとズラリと段が並んでおり、眩暈がしそうです。
上のほうから人の話し声らしき音が聞こえたので、ご挨拶でもしようかと踊り場で足を止めて見上げました。
「――えっ?」
鞄で顔を隠し、精一杯伸ばされたその手に突き飛ばされたと気付いたのは、体が痛みを訴え始めてからでした。
足を滑らせたのではなく、落とされた。
そう認識したのは、この方が伊集院さんの懸念していた『あの子達』の一人だと、容易に予想が出来る言葉が聞こえたからです。私を心配するどころか嘲笑っている声で確信しました。
リカ様を呼ぶように伊集院さんを親しげに下の名で呼び、様づけをして。
――お前の所為で大層お怒りだ。
あぁ、昨日の放課後のことはご存知ないのですね。
説明をしようと体を起こした直後、赤く細長いボトルのようなそれが私に向かって振り下ろされました。
建物や人を守る為の物で、なんてことを――。
***
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bianca(プロフ) - コスミ@終わらない夏さん» やはりそうでしたか!お返事ありがとうございました。 (2014年11月15日 11時) (レス) id: 59896345eb (このIDを非表示/違反報告)
コスミ@終わらない夏(プロフ) - biancaさん» そうですね、クロスオーバーさせております。別作品で箱根の狼さんを書き始める前に、相互ネタ仕込みしたかったので。 (2014年11月13日 16時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)
bianca(プロフ) - 32にでているあらきたさんとは弱虫ペダルの荒北さんでしょうか??夢のコラボ!ですね@ 'ェ' @ (2014年11月13日 0時) (レス) id: 59896345eb (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - コスミ@終わらない夏さん» 軽音だったんですか!羨ましいです〜(≧◇≦) このクオリティで没案…だと…!? すごく凛ちゃんだなぁと思って浸りながら読みました(*ノωノ) モモくんのクワガタへの愛がすごいですよねw 愛しの相手にはぴゅんすけをプレゼント!!ですからねww (2014年9月22日 16時) (レス) id: be52c26f88 (このIDを非表示/違反報告)
コスミ@終わらない夏(プロフ) - さくら大好きさん» 妹(姉)がいる設定は公式であるのに、まったく影が見えないのですが多分姉大好きっ子だと思うんですよね……。凛ちゃんが二期からめっきりツッコミ係のギャグ要員化しているので、そこを活かせればなぁなんて思っております。応援ありがとうございます! (2014年9月22日 10時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コスミ | 作成日時:2014年9月12日 14時