……。【参】

ウマイ ページ20

▷タケミチ◁





『……………………』

「アレ、A？いつの間に……」





トイレから戻ると、出かけていたはずのAがオレの部屋にいた。

なぜか、両手にクレープを持って虚無感を含んだ顔をして正座をしていた。





『……帰ってきて、秒速でアンタの部屋に来たんだ…』

「えっと…………なにがあったか聞いてもイイ？」

『…………イザナさんと、デート(？)してきたんだ、、』

「エﾞッッ！！？？」

『イザナさんがクレープ買ってくれたんだけど………途中で、マイキー君がやって来たんだ……』

「な、なにその修羅場…」





ってかA、黒川イザナに奢ってもらったの！！？





『…………ケンカが始まって、マイキー君が私のクレープ握りつぶしちゃったんだ…』

「わぉ……」

『ちょっとショックで、泣いちゃったんだ私……』

「まぁ、A甘いもん好きだしね…そりゃショックだね……」

『そしたら、マイキー君が慌てて買い直してくれたんだ』

「へぇ、マイキー君が？」

『……そして、なぜかそれを見たイザナさんも「オレも買う」って言って、買ってくれたんだ…………』





それに関しては、オレもなんで？って聞きたいな。

イザナがクレープ2個も買う意味は、どこにもないんじゃないか？





『……さすがに食べ切れるわけもないけど、私のためにわざわざお金出してくれたと思うと……要らないです、なんて言えなくて…』

「そ、そうだね……」

『………………おうち帰ったら食べますって、、それで、家まで二人に送ってもらって、今、ここで正座しています……』

「………お、お疲れ様です…」





『そこでだタケミチ』

「ン？」

『……食べるの手伝って、』

「え？あ、うん。OK(笑)」















『怖かった、』

「ウン、怖かったね」

『マイキー君とイザナさん、もう一緒にしちゃダメだと思う…』

「そうだね…確かに、ヤバそうだね」

『……クレープ、ウマイ、』

「ウン、美味しいね(笑)」





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