……。【弐】

少女マンガとかのアレ ページ40

▷◁





『…前髪って、こんなに伸びないんだっけ。もう一週間経つんだけど』

「イイじゃん、可愛いよ短い方が」

『うっせぇ！タケミチに言ってないもん』

「オレの部屋にわざわざ来たのに、それ独り言なの…？」

『うっせぇばーかばーか！どっか行け！』

「だからオレの部屋だってば！」





タケミチに八つ当たりして部屋に戻ると、ちょうど良いタイミングでケータイが鳴った。

ビビった。誰だ、マイキー君か？マイキー君だろ。





“今日空いてたらマイキーの家に来て欲しいんだけど、大丈夫？”





ドラケン君だった。

なんでマイキー君の家に行くのに、ドラケン君がメールするんだ？





“大丈夫です。”





『タケミチ、マイキー君の家に行ってきます。帰ってこなかったら、マイキー君の気分を害して処分されたと思って』

「んな物騒な…」

『そうだよ、マイキー君は物騒なんだよ……』

「えぇ……気をつけてね…？」





マイキー君の家、歩いて行けるかな。

…ちょっと遠いんだっけ？

あ、覚えてないかもしれない。

あ、詰んだかもしれない。





♪





“迎えいくから待ってて”





ドラケン君…お優しい……。



てか、マイキー君たちに会うの久しぶりだな。

一週間も会ってなかったのか。



珍しいな、なんでこんなに期間空いたんだろ。



他の人にも会ってないし……あ、一回ちょっと半間さん見かけたわ。

見かけて即座に走って逃げたんだった。













しばらく家の前で待ってると、向こうからドラケン君がバイクを走らせて来た。

そして私を見て驚き、すぐにフッと笑った。





「髪切ったんだな、Aちゃん。カワイイじゃん」





うわーーサラッと褒めるなんてアレじゃん。

少女マンガとかのアレじゃん。

やめて本当に。

言われ慣れてないし、

いつもよりハッキリとドラケン君の顔が見えてるし、

もう既にアガってるわ。





「早く行こう、マイキーとエマが待ってる」





後ろをポンポン叩くので、少し頭を下げて跨った。



…ん？エマ？？？



エマ……どこかで聞いたな。





_

楽しみだった→←ぱっつーん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す