ヤンキーわんわん【黒田光輝】

23 ページ23

23



黒田side



『あの、全然断って貰って十分なんだけど、



ちょっと訳ありで体育館倉庫に閉じ込められてて、



その、良ければ、助けに来て欲しい、』



初めてAせんぱいから連絡が来て

しかも電話で！！

ちょー舞い上がっちゃって

まじ心臓バックバクのまま電話でたら

涙ぐんだ声で 閉じ込められた なんていうから



もうすっかり日は落ちてて少し肌寒い

夜の学校に入るのは中学生ぶり。



てか、“訳ありで”ってなんだったんだろう

他にもいっぱい不思議なことはあった


なんで泣いてたのか

なんで俺に電話してくれたのか

でもそれよりも早くAせんぱいに会いたかった



でもそんな疑問は体育倉庫の中で目を閉じていた

Aせんぱいを見てどうでも良くなった



黒「あぁ、良かった、無事だった、

Aせんぱい、せんぱーい」



せんぱいからの返事はかえってこない

気絶…とかでは無さそうだ


起こすのも気が引けるから周りの荷物をまとめて帰ろう


いや、でも寝てる人どうやって運べば…



黒「せんぱい、これは正当なんで」



どうしようも無いからおんぶして帰ることにした


スポーツをやっているはずの、ましてや弓道をやっているのにも関わらず

身長には見合わない軽い体重



この間帰った時も最寄り駅、家の近くまでは行ったけど

どこの家なのか分からない



男女2人が1晩を過ごすのは危ないことかもしれないけど

他に行くあてもないから俺の家…



いやいや、まじで下心とか今は無いから！！



自分に言い聞かせて家に向かった

24→←22

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す